メールマガジン


2008/10/01
 2008年10月01日 復活メルマガ第三十弾


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■□    CRIメルマガ 『セントラル事業再生レポート』
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   ≪事業再生と敗者復活〜再生実績5000件の相談現場レポート≫
         
発行:株式会社セントラル総合研究所
http://www.sodan.info/

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前代未聞の速攻解決!
出版社再生〜最終回〜

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 7月25日、全国の書店には新生アスコムが起死回生を狙って出版
した『世界一利益に直結するウラ経済学』(日垣隆、岡本吏郎著)が
並びました。民事再生に申請した出版社としては、異例のスピードで
事業再生がなされた結果です。

 もちろんその影では、田原総一郎氏や松山千春氏といった著名な応
援団がいたことも影響していますが、やはり迅速な再生計画が立案さ
れたことか大きく功を奏しています。

 この間、ターンアラウンド・スペシャリストはどんな働きをしたのか。
今回は最大の債権者であった金融機関との交渉にスポットを当ててみま
しょう。


 3月10日に東京地裁に民事再生の適用を申請し、7月29日に同地裁
から再生計画の認可を受ける過程で、大きなポイントの一つに、メイ
ンバンクであったあおぞら銀行の持つ債権6億円の処理がありました。

 問題だったのは、この債権には「売掛担保」がついていたことです。

 つまり、営業停止前までに全国の取次店と書店に流れていたアスコ
ムの在庫書籍は、売れればそのままあおぞら銀行への返済に廻される
仕組みでした。

 この状態では、いくらアスコムが迅速な再生計画を立てて実行しても
「あおぞら銀行のために頑張る」ようなもの。
 この担保を外して、他の金融債権と同様「97%圧縮」に同意してもら
わなければ再生はあり得ません。


 そこで銀行交渉となりました。私たちターンアラウンド・スペシャリ
ストはアスコムの新経営陣と共に銀行に出向き、交渉を続けました。

「このまま担保を外してもらえなかったらアスコムは再生計画が認可
 されずに倒産となります。そうしたら、在庫は全て廃棄処分となり、
 御行が持っている債権も紙屑です」

「今、御行が再生に力を貸してくれたら(担保を外してくれたら)、
 民事再生は認可されてアスコムは甦ります。その際、残った債権は
 返済しますし、また正常取引先としてお付き合いいただけます」

 金融機関にとって債権を回収することは使命ではありますが、あまり
にも利に走りすぎて企業の再生を妨げるようなことがあると監督官庁か
らの監視も厳しくなります。

 時代の流れは間違いなく再生に向いています。

 ことにスポンサーが付いたプレパッケージ型の民事再生を裁判所が受
け付けることで、金融機関も協力的な態度になるものです。

 この時あおぞら銀行は、債権を1億円に圧縮。しかもその返済は当初
3000万円、残債は分割返済という案に応じてくれました。

 このことで、アスコムの再生は決定的になりました。新スポンサーの
理解と協力も得られ、8月26日、東京地裁において再生計画が確定したの
です。


 高橋克佳氏が私たちの元へ相談に現れてから約半年。
当初は「倒産の相談」だったものを「民事再生」に舵を切り換えてから
約5カ月。見事に新生アスコムがスタートしました。9月より高橋氏は
新社長に就任しました。


 今回の最大の成功要因は、前回までに紹介したように、
1)旧オーナー保有の株式を早期に取得してアスコム主導で再生実務を
  進めたこと
2)新スポンサーの合意を得られたこと
3)「弱者救済」の理念の下、小口債権者の合意をスムースに得たこと
 ・
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 ・
といくつもの「プロの裏技」が使えたことにあります。


 もっともこの間、新旧経営陣の中でドロドロとしたやり取りがあった
ことも確かです。旧経営陣の中には「経営停止前」のアスコムの口座か
ら数千万円を引き抜いている者がいました。

 もちろん私たちは詐害行為としてこれを訴え、返還命令を勝ち取って
います。

 その他、金融機関への連帯保証の問題や、旧社長の経営責任問題等、
まだまだグレーゾーンの問題は山積しています。
 再生計画の認可は、アスコムにとってひとつの区切りではありました
が、これはゴールではなくスタートです。


 さぁここからは、新生アスコムの乗務員となった「7人の侍」たちの
活躍を楽しみにする番です。
 高橋社長は「世間をあっと言わせるような強力な企画を仕込んでいる」
と不敵に語っています。

 私の「借りたカネは返すな!シリーズ」の新刊の企画も進んでいます。



 再び一般庶民の進むべき道筋の灯台となるような、そんな斬新な視点
の書籍を期待しています。





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