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事業再生の現場から

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(120)「春待ち」経営者はNG!〜従業員を辞めさせる前にできること

不動産 「景気さえ良くなれば何とかなる」と考える経営者の多さ
「バンカメ(バンク・オブ・アメリカ)が頑張れば景気が良くなる」
「景気さえ良くなれば何とかなる」
未だにそう言って、好景気が来るのをひたすら待っている「春待ち症候群」経営者のなんと多いこと──。

確かに、報道ではアベノミクスによる景気回復が大きく讃えられてはいますが、淘汰の激しい中小企業の場合は、何もせずに春を待っていても変わりません。
今、ここで何か仕組みを作らなくては、日本経済の真の復活もありません。

スクラップビルドの考え
ビジネスマンならば1度は「スクラップアンドビルド (scrap and build)」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。
企業で採算や効率の悪い部門を整理し、新たな部門を設けることや、建造物や設備で老朽化・陳腐化したものを廃棄し、新しい設備に置き換えること。あるいは、古くなった店舗や小さな店舗を閉店し、同じ地域で売場面積の大きな新店に置き換えることをいい、既に実践されている方も多いかと思います。

この考え方の有効性は、物理的な部分に限りません。
状況が苦しい時には、社会も地域も企業も、旧態然とした文化や制度を見直し、新しいものを取り入れる必要があります。
「スクラップ アンド ビルド」というと妙に物々しいかもしれませんが、耳触りの良い「新風を吹き込む」という日本語と同義と捉えても良いでしょう。

企業の人件費コストカットにおいて、新たに取り入れたい風こそ、先にお伝えした「ワークシェアリング」です。

崩れる「終身雇用が原則」
日本人には「共済」という概念が浸透していますし、「仲間のためにがんばる」という尊い精神風土があります。
これまで日本企業は終身雇用を原則としてきただけに、この転換は難しいと考えられてきましたが、子育て中でも働き続ける女性が増えていることや「ワーク ライフ バランス」を重要視する風潮が高まっている状況下、中小企業でコストをカットしつつ優秀な労働力を確保するためにはワークシェアリングが再評価されています。

雇用調整助成金の活用も
これを活用することで、中小企業はなんとか雇用を守り、活路を見いだせるはずなのです。


幸い今は、休業時でも雇用を維持した企業に支給される「雇用調整助成金」をはじめ、雇用を守るための支援制度が充実してきました。
労働量が減る分、給料も元のまま…とはいきませんが、従業員を辞めさせる前に、できることはたくさんあります。
経営者のアイデアと決断、そして従業員とのコミュニケーション次第です。

[2015.5.26配信]

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