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事業再生の現場から

(138)事業再生の救世主?!〜あのヒットドラマにも見た”銀行マンの出向“とは〜「事業再生の現場から

雇用を守るることが中小の命題

事業承継昨年末は池井戸潤原作のドラマ『下町ロケット』をご覧になっていた方も多いのではないでしょうか。
経営の窮地に立たされながらも夢を追い求める町工場の奮闘は、実に胸が熱くなるものでした。

ドマラにはハマリ役も
ところで、これまでドラマ化された池井戸作品には、お笑い芸人やミュージシャンなど、意外なキャスティングが良く見られます。
シリアスなストーリーだけに、本業が役者でないタレントではいかがなものか・・・と思いながら見ていると、これがなかなかハマリ役。
ついつい引き込まれてしまいました。


経理部長役には人気の立川談春氏

『下町ロケット』で町工場の経理部長役を演じた立川談春氏もそのひとり。
人気の落語家でありながら文筆活動も活発で、その多彩ぶりには驚かされます。
その談春氏の演じたのは、銀行からの出向で町工場の経理部長に就いているという役でした。

あのドラマのように、会社の経営が悪化したとき、メインバンクからの出向者を財務担当役員として迎え入れ、経営再建に取り組むケースは実際によく見かけます。
ところが残念ながら、やってきた銀行マンが経営や再生の実務に精通しているというのは、実は極めて稀なこと。
企業経営の何たるかを理解していないために業績はさらに悪化し、経営支援の打ち切り、経営者交代、ついには経営権譲渡・・・という悲惨な結末を迎えることもしばしばあるのが現実です。


東北某市の老舗ホテルが財務悪化に

東北某市のとある老舗ホテルが、まさにそのケースでした。

三代目経営者からの依頼を受けてわたしたちが事業精査をしてみると、銀行から経理担当役員がやってきてから後の方が、明らかに財務内容が悪化していたのです。
経営の実務を全く知らないこの役員が、あろうことか税金や社会保険料を滞納しながら自分の出身の金融機関への返済を優先させたり、知りもしないホテル経営に口を出したりしていた結果でした。

ただ、これが発覚したではまだ再生の余地があると考えていました。
しかし、さらに最悪なポイントが、経理担当役員ではなく、実はその社内にあったのです。

社内に潜んでいた悪とは――?
次回、お伝えしたいと思います。


[2016.2.10配信]

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