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事業再生の現場から

(141)対債権者には「先手必勝」〜債務者主導の事業再生をスタートさせるコツ

債務をいかに圧縮するか

事業承継事業再生の大きなポイントとなるのは「債務をいかに圧縮するか」ということです。

その債務圧縮のための有効な方法として、セントラル総合研究所では支援先企業に債権者集会の開催を勧めることがあります。
取引銀行の担当者に集まってもらい、再建計画の説明をするのです。

その債権者集会で、我々コンサルタントも
「弊社が債務者側に立ち、再生のお手伝いをします」
と説明することになりますが
少し前までは、金融機関から非常に強い抵抗を受けることが度々ありました。
不本意ながら〈示談屋〉や〈整理屋〉の類に見られることも多かったのです。

借りたカネは返すな!を警戒
そのうえ、セントラル総合研究所の代表:八木の著書の『借りたカネは返すな!』というタイトルの刺激的なイメージもあり、金融機関は我々を激しく警戒していたものでした。

まして自己資本比率が低く、金縫う当から業務改善命令が出ているような金融機関がメインバンクになっている場合などは、先方は敵対心をムキ出しにして
「ここで会ったが百年目」
とでも語るような顔でにらみつけられたことも一度や二度ではありません。

けれど、我々はどんな相手に対しても、粛々と「この再生計画は、他の中小企業の再生の模範になります。必ずや、金融機関のみなさまにとっても、良い結果となるはずなのです」と訴え続けてきました。

金融機関:著書をすすめてくれるように
融資先である中小企業が再生すれば、財務状況は好転し、じきに再び金融機関から融資を受けられる優良企業となるのです。
きちんと返済ができ、利息を払ってくれる優良な取引先が増えることこそ、金融機関にとっても理想のはずです。

そんな事業再生のプロセスを地道に繰り返してきた結果、今では金融機関が借りてである企業に対して
「こんな本があるから、読んでみてはどうか」
と八木の著書を勧めてくれるようにもなりました。
10数年前と比べると、状況は信じられないほど大きく変わったものだと驚くばかりです。

債権者集会を開くなら
なお、余談ではありますが…
債権者集会を開催する場合、その開始時間もちょっとしたポイントとなる場合があります。

債権者集会を夕方や夜に開催すると、公的金融機関の担当者はあまり来場しません。
とりわけ、信用保証協会の担当者は夕方6時以降の集会にはまず出席しない。
他の公的金融機関も、担当者が来場したところで、名前だけ書いて資料を持ち帰ることが多い…というのが定石。

というわけで、大きな声では言えませんが、再建できるかどうかいまひとつ確信が持てない計画の説明会は、夕方遅めか夜に開催するに限ります。


[2016.3.25配信]

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