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事業再生の現場から

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(18)これでいいのか事業再生コンサルタント/弱者救済は善か悪か2

株式会社セントラル総合研究所が平成22年1月以来、業務を縮小して積極的な啓蒙活動を休止してから早6ヶ月が経つ。この間に国民新党の亀井大臣が半ば独断でゴリ押しに押し切った「中小企業金融円滑化法」は首尾よく1年間の延期となった。

中小企業デフレ対策:緊急保証、モラトリアム法
ここで、モラトリアム法案から離れ、そのほかの中小企業支援策を見てみよう。即座に思いつくのは信用保証協会の緊急保証制度である。80%保証がセーフティーネットで100%保証になるといった金融機関保護と市場に通貨流通を促す作用があった。これも都市部では一定の成果を挙げているが、地方や産業基盤が第1次産業に傾倒している地域では、モラトリアム法のニーズはあるもののセーフティーネットそのものが要求さていない。このように経済産業省管轄の信用保証制度のセーフティーネットと金融庁の企画した中小企業金融円滑化法との併用が終了するタイミングを迎えている。

そこで、債務者団体や経済界、フリーのコンサルタントも一致して声をあげるべきときに来ている。信用保証協会の緊急保証、金融円滑化法時限立法の段階的な正常化が必要で、延長するとすれば問題点を洗い出し単なる倒産延期だとは言わせないようなモラルハザードネットが必要であろう。その点、緊急保証から新しく借換え保証に段階的な正常化にすることも一定の理解ができる。中小企業庁では差額の捻出資金を「真水」と呼んでいる点はとても業界的である。このように今こそ、債務者、中小企業側ターンアラウンドを標榜する団体や関係者は結束してモラルハザードネットを付け加えることでモラトリアム法案の延長を声高に主張しよう。

風見鶏事業再生コンサルタントのコメント
以前には債務者救済を標榜していた事業再生コンサルタント団体の理事は、1、東京地裁の違法な手数料取得とされた営業譲渡騒ぎ、2「借りたカネ返すな」関係者の脱税容疑が報道されると、サッと体をかわして債権者寄りのコメントを出している。社会の動きが債務者側事業再生コンサルタントの声を小さくしてしまっているのには残念だとしか言えない。彼ら債権者主導の事業再生コンサルタントたちはこの機に乗じて規制を強化して事業再生利権を確固たるものにしようとしている。いささか変わり身の早さに金融機関も戸惑うことだろう。

一貫して中小企業再生を手がけ、債務者再生を標榜してきた私たちは、如何なる困難があろうとも、右顧左眄するエセ・ターンアラウンドマネージャーとは一線を画したいものだ。

[2011.1.18配信]

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