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事業再生の現場から

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(40)小さなことからコツコツと! 『石のスープ』で未来を考える

不利な状況もアイデア次第でチャンス
日増しに寒さが増す今日この頃、恋しくなるのは温かい鍋。様々な具材の旨みが溶け出た熱い汁を啜っていると、時折『石のスープ』の小話を思い出します。
貧しい村にたどり着いた旅人(僧侶・兵士との説もあり)が「石でスープを作る」と語りながら、村人たちから巧みに野菜や肉などの材料を集め、鍋いっぱいに美味しいスープをこしらえるお話。日本でも翻訳出版されているので、ご存じの方も多いかと思います。アマゾン:せかいいち おいしいスープ (大型絵本)
この話の素晴らしいところは、何もないところから形ある物を創り出しているという点にもあると感じます。自分に不利な状況であっても、アイデア次第ではチャンスに結びつくということは、常に心に留めておかなければなりません。

達成までの道筋描ける目標を設定
「石でスープを作る」という主たる目標を掲げたうえで、「鍋と水を用意する」「野菜を加える」「調味料を足す」「パンを添える」といった小さな課題を一つづつ解決している、つまり、問題の先送りをしないという点も非常に重要です。そのために、簡単にクリアできる課題から相手に提示していくという交渉のテクニックも見習うべきでしょう。
もちろん、これらはすべて中小企業の敗者復活に活かせるアイデアであることは言うまでもありません。千里の道も一歩から。小さなことからコツコツと。
「売上を○千万増やす」と伝えると尻込みする営業マンも「1日1件契約を取る」と言い換えてやるだけでヤル気が起きたりするもの。反対に、達成までの道筋が描けないようでは目標を設定しても意味がありません。

分かち合いが幸せを共有
3ヶ月後、1年後に業績をどこまで上げるか…
年末のこの時期は未来を考えることの多い時でもあります。どうかその目標が絵に描いた餅とならぬよう。その未来を実現させるため、今日は何をするのかも併せて考える必要があるのです。
『石のスープ』の物語は、解釈次第では「旅人が村人を騙してまんまと腹を満たす話」とも受け取れますが、筆者は「奪い合うのではなく、皆が少しずつ差し出し、分かち合うことで幸せを共有できる」という教訓が込められていると考えています。発祥とされているヨーロッパ地方では、「協力を集めるための呼び水」の例えとして使われることもあるとか。

今年は東日本大震災の発生により、炊き出しも多く行われました。一時は被災地以外でも食材が入手しにくくなるなどしましたが、こんな時にこそ、分かち合う心をもつことが大切だと実感させられます。
厳しい冬を迎えている被災地にも、それぞれ自慢の郷土の味があります。北国ならではの食材をたっぷり加えた熱い汁で心も体も温まり、誰もが良い年を迎えられるよう、心からお祈り申し上げます。

[2011.12.22配信]

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