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事業再生の現場から

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(42)「時代の変化」を業績悪化の言い訳にしない
   スマホに負けない「アナログ市場」今だ健在

スマホ利用、数年後に5割
このところ、携帯電話各社のCMはもっぱらスマートフォン(多機能携帯電話)。昨年は略称「スマホ」が流行語に選ばれるなど、その人気はとどまるところを知らないようです。筆者は未だ折りたたみ式の携帯電話を利用していますが、周囲に人差し指で画面を撫でる姿を見ると、若干の羨ましさを禁じえないのも事実。「流行に迎合することはない」と日々唱えてはいるものの、時間の問題かもしれません。
1月17日までに時事通信が実施した調査によると、携帯電話を「持っている(会社から支給されたものを除く)」人は84.5%。そのうちスマートフォンを「使っている」のは13.4% とのこと。携帯電話利用者のうち、スマートフォンを使っている人は全体の約1割という数字は、メディアのPRぶりを鑑みるとあまり普及していないような気もしますが、数年後には5割に達するとの試算もあります。

スマートフォンの年代別使用率 は、
20歳代:42.1%、30歳代:24.0%、40歳代:10.9%、50歳代: 6.0%

30代以上の普及率はまだまだ低いものの、20代は半数間近。今後も若者を中心に、利用者数・普及率もさらに底上げされていくことでしょう。スマートフォンやタブレット型多機能端末機(タブレット)人気の後押しもあり、ビジネスマンのスケジュール管理も、デジタルツールを活用するという選択が増えました。
このことが、中年層には馴染み深いビジネス手帳の業界にとっても脅威になるのでは・・・という懸念もありますが、実態は違うようです。

デジタルからの「アナログ回帰」現象
能率手帳などを提供する日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)によると、スケジュール管理に手帳やノート、カレンダーなど昔からのアナログツールを利用している人は、平成23年の調査で62.1%。対して、パソコン・携帯電話・スマートフォンなどデジタルツールは36.4%と、その差は圧倒的です。さらに興味深いのは、「アナログ派」が平成22〜24年の3年で57.8%→69.4%と増加の傾向にある点。
「一旦はデジタルにしたものの、アナログの方が勝手が良い」という「アナログ回帰」現象も見られるとのことです。手帳の業界においては、一昔前にもPDA(携帯情報端末)や電子手帳などの脅威論が囁かれましたが、実際の影響はほとんど無し。逆に、ライフスタイルの多様化に伴い、利用者のニーズに合わせた多様な手帳を展開することによって、市場は年々拡大。むしろ「天上知らずに伸びている」との声もあります。
確かに、年末年始の文具店・書店では、手帳売り場が大きな面積を占めており、そのバリエーションの多さには圧倒されます。知人の書店では「本を売りたいのは山々だが、手帳のほうがずっと儲かる」とも。 手帳というツールが、私たちの生活に深く根付いているということはもちろんですが、その隆盛は、徹底した細分化を進め、ありとあらゆるバリエーションを揃えて、真摯に利用者のニーズに応じてきた業界各社の企業努力に拠るものでしょう。
日増しに電子化が進む社会にあって、この業界の成功例はアナログ世代には特に力を与えてくれます。同時に、「業績悪化を安易に時代の変化のせいにしてはならない」ということにも気づかされます。
本年は、流行に負けないブランド作りと時代に合わせた仕事を目指して事業に取り組んでまいりましょう。

[2012.1.24配信]

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