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事業再生の現場から

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(88)今年こそ債務超過から脱出!〜「経営者保証制度」の大改革
「経営者保証に関するガイドライン」策定

全国企業倒産 中小 再挑戦しやすく 私的整理時 私財一部残す
昨年の話になりますが、12月1日の日本経済新聞の1面にこんな見出しが躍りました。
「うおぉー!」
これを見て、思わず声を上げてしまったのは筆者だけではないはずです。事業再生に関わる者にとっては、決して見過ごせないこの記事には、政府が、業績の悪化した中小企業が早期の会社清算や事業再生に取り組める仕組みを作るということが記されていました。

経営者保証、抜本的に見直し
この報道の4日後、12月5日には「経営者保証に関するガイドライン」として、正式に取りまとめられました。
企業の業績が悪化した場合でも関係者に与える被害を軽減させるため、会社の借金を経営者本人が肩代わりする「経営者保証制度」の抜本的な見直しが柱となっています。
中小企業経営者のほとんどが個人保証をしている現状の改善を狙い、倒産時も経営者が個人財産を全額没収されないよう、再起を図る経営者の生活を守る内容です。

当面の生活資金も保護
経営者にとっては具体的に、次のようなメリットが挙げられます。
早期に私的整理に着手すれば、当面の生活資金として最大462万円の現金を残すことができる。
自宅も「華美でない」場合は残す。経営者責任については、経営者の交代は一律の条件とはならない。
経営者が個人の財産を提供して弁済した後に残った無担保債務については、金融機関が債権放棄に柔軟に応じる。(金融機関が債権放棄した場合、無税償却を認める。企業は債務免除益が発生したとみなされて課税されることはない。)

「貸し手は王様、借り手は奴隷」の時代は終結
また、このガイドラインでは日本の金融制度においてアンタッチャブルの存在であった「借入に伴う保証人について」「返済不能時の私的対応について」というテーマに関しても、明確に規定されています。
かつて「貸し手は王様、借り手は奴隷、破産者に人格なし」とまで語られた時代を考えると、「ついに中小企業にも『人権』が宿ったぞ!」と拳を振り上げたくなります。

金融庁:中小への融資条件、改善計画の7〜8割の達成
日本の中小企業とその経営者の健全性を奪い、円滑な企業経営や事業再生を阻害していた「諸悪の根源」とも呼べるこの2点の解決こそ、日本経済の抜本的な再生につながるに違いありません。
平成26年2月より施行されるこのガイドラインは、金融の実務においてどのように活用されていくかは未知数ですが、破産や民事再生といった「法的整理」とは異なる「私的整理」であれば、債務整理を行った事実は信用情報機関に登録されないため、新たな資金調達も可能となるでしょう。

昨年まで債務超過に悩んでいた経営者の方々にとって、この平成26年こそが輝かしい再出発の年となりますことを、心よりお祈り申し上げます。

[2014.1.9配信]

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