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(96)経済成長をバックアップする税制優遇措置、今注目の「エンジェル税制」とは?

エンジェル税制 消費税増税に悲鳴を上げるなかで、様々な税制上の優遇措置が改めて注目されています。
そのひとつに「エンジェル税制」という制度があるのをご存知の方も多いでしょう。

創業後、間もないベンチャーへ税制支援
平成20年度税制改正において、創業後間もないベンチャー企業への投資を税制上優遇するエンジェル税制が拡充。出資した金額のうち年間1千万円を限度として寄附金として所得控除できる制度が創設されました。
(その年の他の株式譲渡益からの控除との有利選択となります)

この税制において、個人投資家は
投資した時点
投資先の株式を売却した時点
それぞれの時点において、税制上の優遇措置を受けることができます。
ベンチャー企業への投資の促進を目的としたものですが、投資を受ける側、投資をされる側の双方にメリットがある制度です。

エンジェル税制のメリット
(1)投資した時点の優遇措置(下記AかBのどちらかを選択)
A.総所得額から、総投資額分ー2,000円を引いた分を控除
B.ベンチャー企業への投資額全額を、その年の他の株式譲渡税から控除
(2)株式売却における優遇措置(売却損失が発生した場合)

投資した金額よりも安く株式を手放し、売却損失が発生した場合には、譲渡益と相殺ができます。(翌年以降3年にわたって損失の繰越が認められます)
※投資先企業が上場せず、破産、解散等をして株式の価値がなくなった場合も、同様に翌年以降3年にわたって損失の繰越が認められます。

(1)の所得控除は、総所得金額の40%と1千万円の低い額を限度として「出資した金額-2,000円」をその年の総所得金額から控除できるというものです。
例えば、総所得金額が600万円、ベンチャーへの投資額が300万円の場合、239.8万円(総所得600万円×40%-2,000円)を所得控除として総所得金額から控除することができます。

高所得者にもメリット
また、高額所得にとってはよりオイシイ税制のメリットがあります。なんと累進税率で課税される総所得から最高1千万円まで控除できます。
年収数千万円の人なら (国税だけでも)最高400万円程度の節税です。

創業後3年から5年に緩和
4月8日、政府がこの「エンジェル税制」を拡充する方向で検討に入ったことが報じられました。
現在は減税の条件として設立後「3年未満」の企業を対象とされていますが、これを「5年未満」に延ばし、投資先の選択肢を広げる方針です。
ベンチャー企業の資金繰りを税制面から支援し、新たな産業の担い手を育成、経済成長の「起爆剤」となることを期待したいものです。

[2014.5.8配信]

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