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(98)経営者よ、「大資」を抱け!〜エンジェル税制活用例

エンジェル税制 前回まではエンジェル税制を活用した資金調達のメリットをお伝えしました。今回は具体的な活用例をご覧いただきたいと思います。

店舗開店には多額の費用も
例えば、フレンチレストランで働いていた腕のいいシェフI氏が独立して、麻布で高級フレンチレストランの開業を考えていたとします。 通常考えられる開業では、自己資金や借入金を中心とした形での開業になるでしょう。
ただし、高級な調理器具や内装や調度品、大通りに面した店舗は、多額の費用が掛かります。手元に100万円しかなかった場合には手が届くものではなく、高級フランス料理店ではなく価格帯の安いビストロ(家庭料理店)を、人通りも少ない路地裏で始めることになるかもしれません。
しかし、エンジェル税制や新創業融資制度を利用することで、最初から大通りに面した高級料理店を開店することも、夢ではなくなるのです。

エンジェル税制で自己資金が何倍にも
まず、I氏の料理や人柄を気に入ってくれている元のお店の常連客やオーナーなどが好意的に、エンジェル税制を活用して投資してくれるのであれば、自己資金は何倍にもなります。もちろん家族や親せき、あるいは隣近所の知り合いや飲み友達でも構いません。
さらにその投資してもらったお金も自己資金とし、新創業融資制度を利用してお金を借りた場合、借りられる金額に何百万〜1,000万以上もの差がつく場合もあります。

創業融資は自己資金の2倍まで
政策金融公庫の新創業融資制度では「創業資金の3分の1以上の自己資金を確認できる方しか利用できません」と規定されています。
また、審査の内容として「自己資金の2倍までが限度」とされているので、最大1,500万円の融資を受ける場合には、750万円の自己資金が必要となる理屈です。

300万円の融資がエンジェル税制で1,500万円に
I氏が100万円しか自己資金がなかったとしたら、200万円までしか借りられず合わせても300万円にしかなりません。これでは不本意にもビストロオープンコースです。
しかし、エンジェル税制を活用して650万円以上の投資を得て、合わせて750万円以上の自己資金が用意できれば、限度いっぱいの1,500万円まで借りられるため、2,250万円以上の資金をもって、当初の望みどおり高級フレンチを開業することもできるはずです。

身の丈に合う経営もひとつ
もちろん、「身の丈に合う」といってビストロを経営しながら事業拡大を目指すのも一つの方法。
ただし、一旦開業するや目の前のお店を回していくことのみに捉われ、当初の大きな目標を忘れてしまう方も多いものです。
その現状に「満足している」と見るか「甘んじている」と見るかは人それぞれですが、経営者には常に上昇志向を持ち続けていただきたいと思います。

経営改善計画を立てる際に「経営理念」を求められる項目がありますが、「誰が」「何のために」その仕事を行うかということは、経営にとって忘れてはいけない重要なポイントです。

[2014.6.10配信]

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