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不良債権と企業戦略

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不良債権という言葉が良く聞かれますが,金融機関だけが問題になるのだけでなく,一般に企業を経営していれば誰でも不良債権を持ってしまう可能性があります。このような観点から「不良債権と企業戦略」についてともに勉強します。

企業にとって何が重要か優先順位を把握する
企業戦略において何が重要で,何がそうでないかを決めます。例えば事業に投資する際,何を指標として企業が利益を上げ、それに対して投資すべきなのか。そして、どれくらいの規模の投資をするのかを決める必要があります。
戦略とは、実効力がなければ意味がありません。事業計画書などを策定する場合でも,過大な数字や戦略目標が夢のようなものであったりでは戦略と言えません。例えば、年商3億円の企業が3年後に100億円になり、上場し時価総額が200億円になるなど戦略とは言えず目標であり夢となります。
本来の戦略とは、事業を行うことで自分たちの幸せをつくり、企業として永続できるよう決めるなかで,実効力ななければ戦略とは言えません。

経営者の肌感覚では第三者に伝わらない
中小企業の場合,肌感覚で事業や投資など「できるだろう」と思われる経営者が多く見られます。100%のうち80%が正しいという感覚は、オーナー企業や投資家には通じるものの、その後,企業を継いだ担当者や実効する人には100%理解できません。また、M&Aなど第三者が介入した場合には、肌感覚では第三者は評価することができません。
企業戦略を考える場合,指標と言われる売上高や利益率などは係数的なものであり、この指標が大切な業種はあるものの、ストックビジネスなどではほかの指標が大切になる場合もあります。肌感覚も大切ですが、現実の事業を冷静に見ることが重要です。肌感覚は第三者には共有できず、共有のため客観的な数字の上で理解を得なければなりません。この数字も多くの経営者は、自己都合で作り上げてしまうことが多くみられます。

正しい係数を元に実効力のある戦略へ
戦略において指標を誤ると全てが間違えることに繋がります。外部の力を取り入れコンサルティングで念密にディスカッションし、どのような事業を行っているのか把握します。販売会社なのか製造会社なのか。コンテンツビジネスなのか労働集約型なのか、正しい係数の元に実効力のある戦略を組み立てる必要があります。
これらのことを経営者1人で行うことは時間も取られ現実的には不可能です。係数を引き出し,組み立て戦略とする場合には外部の冷静な判断力、精査力が必要になります。

係数を精査し強みのある市場で戦う戦略
企業の規模が小さくなるほど経営者の仕事の範囲は広がり時間的にも「できること」、「できないこと」があります。また、企業として経営者の強み、弱みもあります。弱みのあるところで戦っていても勝つことはできません。強さを伸ばすために係数を精査し、より事業を安定させ拡大することが必要となります。
例えば、100億円の市場が80億円に落ちても、このなかで企業が生き抜けると判断すれば80億円市場で勝負することも一つです。
戦略とは、自分の強みを生かし勝てる市場に参入し、生き残りをかけることを決めることです。その後,その市場でやるべきこと、やらなくていいことを精査し,拡大させます。

サンクスコストは固執しない
ファイナンシャルの教科書にもあるように、埋没した費用であるサンクスコストは忘れることです。忘れられずに、さらに追加の投資をしたり、時間を費やす必要はありません。
サンクスコストには、売掛金などの不良債権も含まれ、金融機関から見ると回収の見込みのない貸出債権もあります。
このようなサンクスコストにも投資するSPC(Special-Purpose Company:特別目的会社)もあり、事業譲渡やM&Aなどに繋がりる可能性もあります。事業譲渡やM&A(企業の合併・買収)など経営者にとっては大きな決断となりますが、外部の冷静な目を生かし投資や債権処理をしたほうが企業にとってメリットとなることもあります。

事業の強みを生かしきれているか
企業戦略とは,人の時間も人数も限られるなか、不得意な分野に時間を取られていないか。強みを生かしきれていないか探り出さなければなりません。また、不良債権の回収に人を費やし訴訟を起こすなど、経済合理性があるのかも冷静に精査しなければなりません。不良債権は、サンクスコストとして処理し、税制上のメリットを受けることも戦略として必要。そのための係数など収集など時間も人力もかかる精査は外部の力を借りることも戦略です。

[2014.4.4更新]