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モラトリアム法終了後の資金繰り支援
リスケ・資金供給は「法令から行政による指導・監視」で維持!
金融庁:金融検査マニュアルを一部改正、リスケ対応、資金供給促す
中小企業金融円滑化法が平成25年3月末に期限を迎え金融庁は3月21日、同法が期限到来後も金融機関がリスケジュール(条件変更)や円滑な資金供給に努めるよう「金融検査マニュアル・監督指針」の一部改正案をまとめ公表しました。
金融検査マニュアルは、金融機関を検査する際の手引書として金融庁が平成11年に制定。銀行や保険会社、証券会社など金融機関に対して厳格な資産査定を促すとともに、金融機関ごとの自己査定の基準を統一。リスク管理に対する意識の向上や企業倫理への自覚促進が盛り込まれています。
金融機関への要請:中小企業に対し相談、指導を通じ経営改善へ最大の支援を要請
平成25年4月より適用される改正案では、リスケジュールや円滑な資金供給を促すほか、他の金融機関などと連携し中小企業などに対する経営支援に積極的に取り組むことを盛り込みました。金融機関は、資金供給者としての役割だけでなく相談、指導を通じ中小企業や住宅ローン利用者に対し、経営改善などに向けた最大限の支援をすることを求めています。
政府は3月22日、複合的な中小企業支援として中小企業金融円滑化法の期限切れの懸念払拭に、「中小企業金融等のモニタリングに係る副大臣等会議」において、中小企業など不安を感じることなないよう説明、周知する考えを強調しました。
リスケ中の企業:5〜6万社の倒産懸念
金融庁によるとリスケジュールを利用した企業は30〜40万社とみられ、このうち5〜6万社が経営改善が進まず事業再編や新たな市場開拓、転業など余儀なくされています。政府は、地域経済活性化支援機構など公的機関を通じ期限後の多面的な支援を強化します。
人口減など国内市場の縮小や新興国の台頭で経営環境が不透明感を増すなか、中小企業などの財務状況や経営能力を熟知する金融機関の役割が重要となります。機構など公的機関との連携を緊密にとり、効果的な支援の実現が求められます。
政府:倒産急増は夏の参院選に影響大!金融機関への指導、監視を強化
平成24年12月に政権奪還を果たした安倍政権は、中小企業金融円滑化法の再々延長を見送り金融政策の転換を図りましたが、中小企業など資金繰りが悪化すれば景気回復やデフレ脱却の足かせにもなります。今夏の参院選を前に倒産急増など最悪の事態を避けるため、金融機関へ資金繰り支援の配慮を「要請」と言う形で支援します。
同法による資金繰り支援は、3月末をもって法的効力は失われるものの、政府は同法の大枠を行政による指導で維持。金融庁や経済産業省、厚生労働省など8府省庁の副大臣らが、金融機関が正当な理由なくリスケジュールなど拒否していないか監視するとしています。
[2013.4.3更新]