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東日本大震災から6年、産業復興相談センターへの相談5千件超え、
債権買取り二重ローンの解消は1割未満
わかりにくい?小規模事業者は「再生支援機構」、中小企業は「産業復興機構」へ相談
「産業復興機構」は、被災した小規模事業者(資本金5億円未満、従業員1,000人未満)を支援する復興庁所管の「東日本大震災事業者再生支援機構」に対し、中小企業者を対象に経営支援や再生支援を行う中小企業庁所管の組織です。
産業復興機構は、被災地6県(岩手、宮城、福島、青森、茨城、千葉県)に産業復興相談センターを設け相談を受け付けており、中小企業庁によると平成28年12月30日現在、相談受付数は5,531件。このうち産業復興機構による新規の事業所や設備、工場などの投資による二重ローン問題など金融支援の決定件数は1,010件、うち債権買取り決定は332件にとどまっています。
阪神淡路大震災の被災者、借り上げ住宅に2,800世帯。20年で退去命令?
東日本大震災からまもなく6年が経過しますが、岩手、宮城、福島の3県では未だに約4万人近くがプレハブの仮設住宅で生活しているのが現状。
22年前の阪神・淡路大震災では、64万棟が被災。地震保険や貯蓄で自宅や事業所などを再建できた件数は限られ、現在も兵庫県の6市の復興借り上げ住宅に約2,800世帯が居住。同住宅は入居から20年で返還されるため、明け渡しを迫られています。
新たな借入で過大債務を抱える二重ローンが問題となり、これを教訓に建て替えの一部に公費を充てる「被災者生活再建支援金」ができました。その教訓は十分に生かされていない現実が浮き彫りになっています。
世界的な温暖化、異常気象で被災者になる可能性も
地球規模で温暖化や世界各地での異常気象が都度発生しており、今後も災害が起きたときに同じ問題が繰り返される予測はつきます。
一方、支援金を大幅に増額し、前回でなくとも一部損壊まで広げれば厳しい財政状況のなかで、この仕組みは破綻しかねません。
阪神・淡路大震災を教訓に兵庫県は12年前に住宅再建の共済制度を発足。家主が年間5,000円を出資し、どんな災害でも半壊以上で最高600万円の給付を受けられる「共助」を設立。このような被災者救済制度がいち早く全国に広まることが期待されます。
震災関連の倒産1,780件、うち「間接型」倒産が9割
東日本大震災関連の企業倒産件数は、平成28年12月31日現在、1,780件に達しました。この倒産の定義は、震災により施設や設備、機械などが被害を受け破綻したものや、経営不振時に震災が間接的な影響で破綻などした件数です。
産業別では、宿泊・サービス業が471件と最多で、製造業が400件、卸売業が332件、建設業が216件と続きます。被害型で見ると「直接型」が160件に対し、「間接型」が1,620件と全体の91.0%に達しました。地球の温暖化、異常気象、自然災害など時代の流れとともに被災者の気持ちは人ごとではなくなってきています。
[2017.1.27更新]