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再生手法について

事業再生ADR

申請、成立が少ない事業再生ADR適用で2件再建

裁判に頼らず公正な第3者の仲裁で再建

事業再生ADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争解決手続)は、民事再生法や会社更生法、破産法などの法的手続きよらず、公正な第三者の仲裁・斡旋の下で、民事上の紛争を当事者同士の話し合いをベースにして、解決を図る手続きです。
事業再生ADRは、平成19年11月に施行された事業再生法で、平成20年から5年間で上場企業16社が事業再生ADRの手続きを申請しました。申請した上場企業は、債務免除や人員削減などにより債務超過が解消され収益が回復する可能性も出てきています。

5年間で上場企業16社がADRを申請

事業再生ADRを申請した16社のうち、日本航空は会社更生法手続きへ移行。大和システムは民事再生法手続きへ、ワールド・ロジは破産手続きへ移行しました。また,人材派遣大手のラディア・ホールディングスは、事業再生ADRを申請し、成立しましたが、違法な法令遵守の不備から清算に追い込まれました。
事業再生ADRは、申請手続きをした上場企業全てが成立するものではありません。同じ時期に民事再生法や会社更生法の適用を申請した上場企業は、事業再生ADR申請企業の3倍弱、46社に上ります。

エドウイン、伊藤忠が支援し再建

EDWIN大手ジーンズのエドウインは、平成23年に資産運用の失敗で数百億円の損失を出し、私的整理の事業再生ADRの手続きを申請。翌24年には、大口取引先である伊藤忠商事が支援、約300億円を出資し子会社となりました。
伊藤忠の金融支援によりエドウイン再建が一段落を迎え、平成23年には、一度店を閉めた原宿に平成28年11月29日、直営店「Edwin Tokyo Harajuku(エドウイン トウキョウ ハラジュク)」を復活。経営危機から再建した新たなエドウインの拠点として、内装も「和」を強調。メイドインジャパンのジーンズの品質を外国人客にもアピールするとしています。

開業15年目で初の黒字

一方,東京・赤羽岩淵駅〜浦和美園駅間を結ぶ埼玉高速鉄道も、平成27年に事業再生ADRが成立し、利息の返済負担や減価償却費が大幅に縮小。平成28年3月期決算は純損益が20億5,600万円の黒字となり、平成13年の鉄道事業開始以来、初の黒字を達成しました。

浦和美園駅周辺の宅地開発で人口が増加。国立競技場の建て替えに伴う大規模なサッカーの試合により輸送人員の伸びにつながりました。
近年、シャープのように金融機関主導による私的整理は少なく、事業再生ADRが金融機関に変わり主導。少ないながらも早期の事業再生が選択肢に加わり再建を果たしています。

[2016.12.5更新]

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