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アメカジやバイク・サーフィン雑誌発行のニ出版社が民事再生申請!
スポンサー企業は事業所も雇用も維持
部数の減少に加え、コロナ禍での広告収入減少が要因
メンズファッション誌の「ライトニング」や「セカンド」、バイク雑誌の「ライダースクラブ」、アウトドア誌「ピークス」など趣味の雑誌を多数手掛け、出版、発行しているニ(エイ)出版社が令和3年2月9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請、保全・監督命令を受けしました。
帝国データバンクによると、平成29年3月期の売上高は102億円を計上したものの、令和2年3月期には55億円に急減し、負債額は債権者712名に対し57億円8,800億円と3年連続で赤字に転換しています。
出版社全体において不況のあおりを受け、各出版社ともに部数が減少し、さらに新型コロナウィルスの影響で広告収入が大きく落ち込んだのが要因としています。
専門知識を持つスタッフが内製で出版、コアファンを魅了
ニ出版社は、令和2年3月期において雑誌176点、ムック本249点、書籍30点、フリーペーパー4点など計459点を出版しており、同業他社にはない幅広い趣味分野の専門誌を扱い、専門知識を持った従業員によりコンテンツの大半を外部ライターに頼らず内製化するなど、各分野のコアなファンの要望を充足させるクオリティの高い紙面づくりに定評がありました。
雑誌や書籍などの他、広告事業や販売促進用のパンフレット、カタログ、ウェブブサイトなどの制作も請負い、自社の雑誌で提案するライフスタイルに合わせ、飲食店や住宅建築事務所、ゴルフ事業、ガレージ事業などと幅広く展開しています。
バイク3誌を老舗出版社、実業之日本社が事業譲受
同業の出版社・実業之日本社は、経営破綻したニ出版社が持つ雑誌「ライダースクラブ」や「バイクジン」、「クラブハーレー」などバイク誌3誌について令和3年2月9日、事業譲渡契約を締結したことを発表しました。
この中でも昭和58年発行の「ライダースクラブ」は、元GP(世界ロードレース世界選手権出場)ライダーのニ出版社の根本健氏が編集長を務め、ウェブと雑誌兼の「ライドハイ」も手掛けています。
実業之日本社は、明治30年創業の老舗出版社で、実用書や漫画のほか、ゴルフ誌やファッション誌3誌についても「スポンサーを選択し継続に向け調整中」と関係者が明らかにしています。
コアファンのため事業譲渡が進むニ出版社、雇用は維持
ニ出版社は令和3年2月10日、公式ウェブサイトに「民事再生手続申立のお知らせ」を公表し、スポンサー候補社と事業譲渡契約を締結中と配信しています。
ニ出版社の事業譲渡は他にも、ベンチャー投資会社のドリームインキュベータが令和2年12月にアウトドア誌やサーフィン誌など24のメディアを手がける「ピークス」の事業を買収し、令和3年2月5日より営業を開始しています。
新たな「ピークス」は、引き続き東京・用賀のニ出版社も入居するフロアで営業を続け、約140名のスタップも雇用を維持するとしていまが、本当にリストラしないで雇用を維持できるかどうか、今後の動きを見ていきたいものです。
[2021.03.02更新]