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再生手法について

再生手法

自動車エアバックのリコール「タカタ」
米国では民事再生法,日本では私的整理で再建

部品メーカーに多大な迷惑、私的整理を選択

私的整理自動車のタカタ製エアバッグのリコール(無償の回収・修理)のトラブルで経営が悪化しているタカタは、平成28年11月4日、リコール費用を肩代わりしている自動車メーカーなどと合意し、私的整理で債務の負担を軽減し、経営を再建する方針を示しました。
裁判所が再建手続きに関与する民事再生の場合、タカタの取引先である中小部品メーカーや自動車メーカーに多大な影響を与えるとの見解です。
エアバッグのリコール対象は日米両国だけでも約8,000万個。リコールへの費用負担は1兆円超えとなり、費用負担の割合が今後協議されますが調整は難航しそうです。タカタが同日発表した平成28年9月期の中間連結決算では、純利益が182億円ですが巨額のリコール費用は計上されていません。

米タカタ再建は民事再生法が唯一の選択肢

一方、米国では経営悪化に対応するため、米投資会社や弁護士などによる外部専門家委員会に再建計画を依頼。タカタに出資してくれるスポンサー企業を選定、再建策のとりまとめを急いでいます。
平成28年9月には再建スポンサー候補企業を決める入札を実施。入札に参加した企業は、いづれもタカタの法的整理を提案しています。タカタ再建策には債務を確定させるための唯一の選択肢が法的整理と提言しています。
平成28年11月3日には、日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条の適用を申請。タカタ本体での事業も継続できるように、スポンサーの選定作業がしやすい環境を早期に整える方針です。米国では、タカタ製エアバッグのリコール件数が1,000万個を超えています。

民事再生法適用の上場企業はわずか118社

日本では、平成12年4月に民事再生法が施行。平成27年8月現在で民事再生法が適用された上場企業は15年で118社。昨年は民事再生手続き中の航空会社・スカイマークを巡り、ANAやデルタがスポンサーに名乗りを上げましたがANAは平成27年4月にスカイマークへの出資を決定、翌5月にはスポンサー契約を締結しました。ANAはコードシェア(共同運行)実施を掲げたものの、現実には至っていません。
平成28年3月に民事再生手続きが終結したスカイマークの搭乗実績は、平成28年9月に過去最高を記録。コードシェアは必須ではないことを証明しました。

民事再生後の存続上場企業は4割

民事再生適用の118社の平成27年7月時点の現状を見ると、「存続」は構成比39.0%の46社に対して、「解散」が同55.9.0%の66社。「実質活動停止」が同5.1%の6社でした。6割を超える上場企業が姿を消し、再上場を果たしたのはわずか1社でした。
民事再生法は、これまで中小企業が適用し、会社更生法にに比べ手続きが簡易で迅速。再建計画の許可要件ある債務者の過半数、債務総額の1/2以上の同意で緩和され、再建計画成立が比較的容易にも見えますが、事業存続の実態は4割にも満たないことが実態です。

[2016.11.8更新]

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