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信託業法(条文、改正ポイント)について
●はじめに
平成16年12月30日信託業法が改正されました。今後の当社の再生基金ビジネスに関係する法改正と思われます。現時点での調査報告をさせていただきます。
●信託業法改正の背景
○経済産業省 平成15年2月
「企業・産業再生に関する基本指針」(平成14年12月19日産業再生・雇用対策戦略本部決定)に基づき「早期再生ガイドライン」制定
○目的は 早期着手 迅速再生
事業再生法制・倒産法制の整備やDIPファイナンス等の金融手法も拡充されたが、法的整理への経済的・社会的障害が高く債務不履行ぎりぎりでの着手 当時の私的整理ではメインバンク主導でなされ債権放棄などの調整に時間がかかった。
信託業法改正の背景 (PDF:124kb) |
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●「早期着手」の実現のために
○具体的な制度整備を掲げた 従来型
○メインバンクシステム下の事業再生に代わる新たな早期再生メカニズム
○規制改革の実現 特債法 信託機能の活用
○投資家及び株主主導の事業再生機能の充実
○ファンドによる事業再生の充実 など
●信託とはなにか
○委託者が信頼できる第三者(受託者)に財産権を移転
○信託目的に従い受託者が受益者のために信託財産を管理・処分する制度
○信託財産の所有権(受託者に帰属)と経済利益(受益権は受益者に帰属)
●信託の機能
○信託財産の所有権と経済利益の帰属が分離する
○財産管理機能
○転換機能(信託財産が信託受益権にとなり信託の目的に応じた形に転換できる)
○倒産隔離機能
●信託の歴史
○古代エジプト
○中世イギリスのユース
○平安時代の荘園
○現代の信託はイギリスで生まれアメリカで発展した
●信託の歴史
○明治33年 法律に初めて登場
○紡績から重工業への転換資金の海外資金調達のため
○大正3年第1次大戦で好景気
○大正10年には488社に 玉石混交
○大正11年に信託法 信託業法制定
○大正13年 27社に
○昭和18年兼営法により信託会社と銀行の合併が促進
○第2次大戦後まもなく信託会社はすべて消滅その後今日まで存在していない
●今回の改正ポイント
○信託業の担い手の拡大
これまでは金融機関に限り認められていたが本改正で一般事業会社にも信託業が解禁された。参入基準は別紙に記載。
○信託できる財産の範囲の拡大
これまでは金銭・金銭債権・有価証券・土地などにかぎられていたが今回、知的財産権を含む財産権一般を信託できるようになる。(著作権や特許権も可能)
●期待される効果
○金融システムの基本的インフラとしてさまざまな経済的変化へ対応
○経済の活性化
○金融技術のイノベーション市場型間接金融の構築へ
○新たに生まれる信託会社は旧法の信託銀行のように広範囲で業務をする必要がなくニーズに合わせた形で利用者の利便に資する
○信託法との整合性(法務省で改正予定)
●信託会社
1.信託会社
・運用型(免許制)
・管理型(登録制)
→委託者の指図のみで信託財産の管理・処分を行なう
2.信託契約代理店
3.信託受益権販売業者
●参入基準の概要
○運用型信託 管理型信託で条件が異なる
○最低資本金
○株式会社のみ
○財産的基礎、人的構成など