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岩手県:二重ローン問題への対応に関する基本合意
相談から具体的な支援までをワンストップで受入れ
経済産業省は平成23年8月8日、岩手県と地元金融機関との間で、震災による二重ローン問題への対応に関する基本的な方針について合意したと公表しました。二重ローンは既往ローンに加え、震災による被害で受けた融資によって二重に返済する問題で、中小企業などの救済が求められていました。
合意に至った基本的事項は、中小企業再生支援協議会の体制を拡充し、「岩手県産業復興相談センター」を設立。国が人件費などの予算を措置し、人員の手当は地域金融機関などが協力します。
相談センターでは、中小企業をはじめ小規模企業や個人事業主、農事組合法人、医療法人など幅広い事業者を対象として対応。相談によって再生可能と判断された事業者には、相談の受付から事業再生開始までの間の利子負担を軽減するために国が補助されます。
岩手県産業復興機構設立:債権買取りへ
債権買取りなどを行う「岩手県産業復興機構」を設立し、被災した事業者の事業再生を促します。同機構へは当面500億円程度の出資を想定しており、実際の所要額に応じて順次必要な出資が行われます。出資比率は、独立行政法人の中小企業基盤整備機構が8割。岩手県内の金融機関3行と6信用金庫が2割としています。
「相談センター」で再生の可能性があると判断された事業者ヘは、主たる金融機関などが新規融資を行い、事業再生を支援します。
債権買取り後、5年で一部債権放棄・残債売却
債権の買取り価格は、金融機関などが新規融資を行うにあたっての将来の見通しや、被災前の事業者の業績をもとに算定されます。「岩手県産業復興機構」は、事業者の既往債権を買取り、元利返済を凍結させます。買取り後、5年経過した時点で凍結期間終了の可否を関係者間で協議し、一部債権放棄や残債の売却が実施されます。
買取り価格などの考え方など機構の設立に向けた詳細を検討する準備委員会は8月に設立。岩手県、県内金融機関、県信用保証協会、岩手県中小企業再生支援協議会、盛岡商工会議所、中小企業庁、東北経済産業局、東北財務局、東北農政局、中小企業基盤整備機構により構成され、詳細が早急に決められます。
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[2011.8.16更新]