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事業再生関連法規制度等について

社内勉強会

金融庁、金融検査マニュアル改定:再建へ向けた新たな融資促進

金融検査マニュアル:「貸し渋り」「貸し剥がし」の要因にも

金融検査マニュアル金融庁は平成23年11月22日、震災や円高などの影響から中小企業が資金不足に直面するバランスシートの改善を図り、経営改善に繋がるよう、資本性借入金の積極的な活用を促す金融検査マニュアルを改定しました。
金融検査マニュアルは、平成11年に金融庁から公表され、同庁の検査 官が金融機関を検査する時の手引書で公表以来、企業に対して従来の審査方法から格付けに基づく審査方法に変わる要因にもなりました。金融機関では、中小企業など信用格付けを行い、結果として企業の格付けが 下がり「貸し渋り」や「貸し剥がし」現象が起きました。

劣後ローン:マニュアルに条件を明確に記載

この問題で批判が広がり平成14年に「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」を公表。金融機関に対し、中小企業の表面上の財務状況だけでなく、経営の実態を把握し柔軟に総合的に対応することを明記しました。
金融庁は今般、この金融検査マニュアルに中小企業の借入の一部を資本性の高い劣後ローンに転換。新規に劣後ローンを貸し出す際の条件をマニュアルに明確に示し、金融機関に活用を促します。中小企業では劣後ローンは資本と見なされるため借入金が減少し、再建へ向けた新たな融資が受けやすくなります。

関係省庁とも連携しDDS促進

金融庁では、今般の措置により震災や円高の影響で中小企業の資本が毀損するものの、既存の借入を資本性借入金の条件に合致するよう変更するDDS(Debt Debt Swap:デッド・デッド・スワップ)を実施することでバランスシートの改善、金融機関から新規融資が受けられると見通しています。

DDS劣後ローン
社内勉強会:「DDSで劣後ローンに借り換え、負担軽減」より

金融庁は、中小企業などの再建に向けた平成23年度第3次補正予算の成立により、日本政策金融公庫など政府系金融機関や二重ローン問題を解消する産業復興機構などが既存借入金の負担などによってDDSを実施し、劣後ローンを提供するなど関係省庁とも新たなしくみを構築するとしています。さらに日本政策投資銀行と地方銀行が設立するファンドなどが劣後ローンを提供する場合も、中小企業に対して条件面でより柔軟な対応をする方針を打ち出しています。

劣後ローン利用:平成21年度、100件

金融庁では、資本性借入金の積極的な活用を促すために金融機関に向け金融検査マニュアル改定の周知徹底を図るとともに、中小企業に対しても関係団体を通じ広報を実施。全国の財務局では説明会も開催するとしています。
劣後ローンは従来、条件が厳しかったり曖昧だったため平成21年度、地方銀行での活用は100件、298億円にとどまりました。金融マニュアル改定で償還機関も「5年」、金利も「事務コスト相当分」と引き上げを明記したことによって金融機関や中小企業に活用を促します。

全国地方銀行協会:利用促進に手引書作成

全国地方銀行協会は平成23年11月25日、金融庁が金融検査マニュアルを明確化したのを踏まえ、劣後ローンなどへ転換を促すための手引書をまとめました。手引書には、概要や具体的な活用事例が掲載され、全国の地方銀行へ配布。12月から説明会を開催するとしています。
<活用事例>
●福島第1原子力発電所周辺の企業で東京電力から補償金が見込める場合。
●津波により事業継続が困難になった場合。
●円高対策や財務強化が必要な場合。
全国地方銀行協会では、第二地方銀行や信用金庫、信用組合などへも手引書の活用を促すとしています。

[2011.11.28更新]

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