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再生支援機構「地域経済活性化機構」に改組!
2,000億円の事業再生ファンドで延命策から出口戦略へ舵取り
新機構:役職員を180人から300人に増やし業務拡大
企業の再生支援を手がけてきた官民出資ファンドの企業再生支援機構は平成25年3月18日、地域経済活性化支援機構に改組し業務を開始しました。再生を支援した旧機構の経営陣はそのまま残るものの、約180人の役職員は最大300人程度まで増やし、業務を拡大する方針です。
新機構は、企業の経営再建のほか、事業再生の専門家派遣など新たな業務を拡充。中小企業金融円滑化法が3月末に終了することを見据え、中小企業の抜本的な経営改善を促し、地域の活性化を目指します。
▼地域経済活性化機構
旧機構:JALの大型案件で中小企業まで手が回らず
平成21年10月に発足した旧機構は、出融資や既往ローンの買取りなどを通じこれまで28件の支援を決定。平成22年1月に決定した超大型案件のJAL支援の処理に追われ、中小企業の経営支援に手が回らなかったことも現実です。
新機構では、企業の支援期間を従来の3年から5年に伸ばし中小企業を長期的に支援。雇用のすそ野の広い地域の中小企業を重点的に支援する方針を示し、地域単位で再生させる取組みも始めます。
新機構:金融機関と共同出資で全国に総額2,000億円規模のファンドを組成
新機構は、地域の金融機関など民間と共同出資を通じ全国に総額2,000億円規模、約70のファンドを組成。平成24年度補正予算の30億円を活用し1ファンド当たり、全体の1〜2%を出資。地域金融機関へ出資を促し、個別の中小企業再生を手がけるほか、地域や複数の企業を一体で支援します。
全国各地に組成される事業再生ファンドへの出資は、機構自らリスクをとることで新たな投資の呼び水とする方針。このため新機構は、企業再編や新規事業参入など事業再生の専門家を地域金融機関へ派遣し人材育成も図ります。
前政権は支援期間を延長の方針、安倍政権は地域活性化を重視し改組
民主党政権は、平成24年11月末に旧機構による支援企業の決定期間を平成25年3月末から延長することを決めていましたが、安倍政権は地域活性化を重視する観点から新機構を改組。地域の金融機関との連携を強め、各地の実情に合ったきめ細かな支援を可能にする業務へ改めました。
政府は中小企業支援の方針を、一時的な資金繰りを助ける「延命策」から、事業再編や業務の多角化、転業などを含む抜本的な経営再建を目指す「出口戦略」へ舵を切ります。新機構は、その中心的な役割を担うこととなります。
[2013.3.21更新]