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金融機関の不動産向け融資がバブル期並みの推移で膨張!
金融庁、リスク管理懸念で金融機関の融資内容を検査へ
新築1戸当りの平均価格6,328万円
不動産経済研究所が平成27年12月14日発表した、11月の首都圏(東京、神奈川,埼玉,千葉)マンション市場動向調査によると,新築1戸当たりの平均価格は前年同月比21.1%増の6,328万円に上りました。都心の億ションなどの高額物件が全体を牽引し、平成3年6月以来、24年半ぶりに6,000万円台を突破しました。新築マンションの発売戸数は同4.8%増の3,496戸と3ケ月ぶりに増加し、契約率も同3.7%増の82.1%と好不調の目安の70%を3ケ月ぶりに上回りました。
不動産向け融資、銀行バブル期並の10兆円,信金は初の2兆円超え
日銀の統計によると,平成26年度の不動産向けの融資は、銀行が10兆1,549億円、信用金庫が2兆1,002億円に達しました。銀行が10兆円を超えるのは7年ぶりで,バブル景気真っ只中の昭和64年度やミニバブル期と言われた平成19年と同水準です。
一方、信用金庫の不動産向け融資が2兆円を超えるのは初。地銀、第2地銀など金融機関全体で不動産向け融資が高水準で推移しています。
日銀金融緩和で貸出が膨張
平成26年10月末に行われた日銀の異次元金融緩和第2弾「黒田バズーカ2」以来、金融機関の貸出は急速に膨張。建設現場では人手不足や円安による建設資材も高騰しており金融機関による不動産向け融資が危険な水準に陥っているとも推測されます。
また、資金ニーズを支えているのは、富裕層による相続税対策などの不動産投資。さらに、中国や香港,台湾などの都市に比べドル換算で割安感のある都心の不動産の取得の動きがみられます。
融資の急増でリスク管理問題ないか金融庁検査
金融庁は、平成27年12月7日、地方銀行の不動産向け融資の監視を強化する方針を示しました。金融機関全体で新規融資はバブル期に並ぶ水準となり,一部の地方銀行で急増しているためリスク管理態勢に問題ないか本格的に検査に乗り出します。
金融庁では、不動産向け融資の増加についてバブル期同様に経済全体として問題がある状態ではないと見ていますが、多額の融資が焦げ付けば企業の経営に大きな打撃を受けるだけに、今後の金融庁の検査が注視されます。
[2015.12.18]更新