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(131)仕事があっても●●がない?!中小企業を悩ませる新型倒産
「ピンチです。助けてください!」
先日、某SNSで見かけたSOSの叫びです。
都内工務店でも職人の人材不足
何事かと思えば、「家を建てるのにいい職人を探している」とのこと。
なんだ、近所の建築会社では気に入らないのか・・・と思っていたら、SOSの発主はなんと都内の工務店社長でした。
「難しい物件で、なかなか人材が揃わない。このままではとても納期に間に合いそうにないので、良い大工さん、工務店を紹介してもらえませんか」
と、訴えは切実です。
実は景気回復の裏で、同様の悩みを抱える中小企業が増加しています。
「すき家」荒業ワンオペで大量閉店、集まらぬ人材
記憶に新しいのは「すき屋」の大量閉店でしょう。
国内の大手飲食チェーンは、人件費の安いアルバイトを大量に雇いワンオペで運営させるという荒業で拡大してきましたが、そのツケが人材不足となって店舗の営業停止や閉店となって現れているのです。
工期が遅れれば自己破産も
消費税増税前の駆け込み需要に沸いた建設業界では、職人不足による工期遅れのために資金が底を突き、自己破産手続きの費用さえ手元に残らない・・・という悲惨な例さえ出ています。
「どうやって人を減らすか」とリストラ策に苦心していたのが嘘のようでもあります。
人手不足による倒産は1〜9月、235件
東京商工リサーチの調査によると、今年1〜9月の「人手不足」関連倒産は235件(前年同期227件)。
内訳は、代表者死亡などによる「後継者難」型が210件(同201件)、「求人難」型が17件(同17件)、「従業員退職」型が8件(同9件)です。
事業承継の課題が深刻化している昨今のこと、内訳も「後継者難」型が24件と圧倒的ではありますが、景気回復の動きに伴い人手不足感が強くなる状況下にあっては「求人難」型の推移も無視できないでしょう。
人材不足で経営危機に陥る懸念
人口減の日本、アルバイト・正規社員問わず、人材不足による経営危機が現実に起きる時代がやってきました。
人材募集において、中小企業は大手に競り負けてしまうことも止むなしとしていた感もありますが、事業存続のためには、人材の保持・獲得になりふり構ってはいられません。
[2015.10.23配信]