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事業再生の現場から

(149)全国で相次ぐ地銀の経営統合/生き残りのカギは「地域密着」!

金融庁:地銀へ合併・統合で体質強化を呼びかけ

地銀再編統合金融庁はこれまで、全国の地方銀行に対して、合併、経営統合による体質強化を呼びかけてきました。
今回、地銀の体質改善に向けて新たに打ち出したのが「地元企業にどれだけ役に立っているのか」を示す新指標です。
金融庁は各地銀がこれを活用して起業支援や事業再生に積極的に乗り出し、地域経済に貢献するとともに、収益基盤を安定させることを求めています。

信金,信組も同様に
この新指標は地銀のほか、信用組合や信用金庫も対象に入り、
 ■創業に関与した件数
 ■経営が改善した取引先の数
 ■担保でなく、事業内容で判断して融資した数
など、全金融機関共通の5項目と、各行の経営方針に合わせて選択する項目など約50項目から成ります。

金融機関:自己評価で融資先を選定
今後、各金融機関に毎年、自己評価してもらい、結果を自主的に開示、企業が融資先を選ぶ際の検討材料としたうえで、金融庁は評価結果を各金融機関と議論し、経営方針の改善に導きたい考えです。

全国で相次ぐ地銀の統合
地銀側にも深刻な人口減少に対する危機感は強く、このところ、全国各地で相次いでいる地銀の経営統合もその対応策のひとつです。
従来の合併は経営危機の地銀を救済する形が多く見られましたが、現在の経営統合は経営規模を拡大し、経費率を下げて収益基盤を強化しようとする一方、新しい顧客獲得の狙いも持ちます。

常陽と足利銀行が統合、地銀グループ3位の規模に
今年10月には、茨城県を経営基盤とする常陽銀行と、栃木県が本拠の足利銀行を傘下に置く足利HDが経営統合して「めぶきFG」を設立しました。
総資産は約15兆円。地銀グループでは全国第3位の規模です。

地銀の急激な再編期
そのほかにも、ここ1年ほどの間に鹿児島銀行と肥後銀行、横浜銀行と東日本銀行、東京TYFGへの新銀行東京の加入など、経営統合が相次ぎました。
さらに、新たな統合を模索する動きも各地で続いていており、まさに地銀の急激な再編期に入っています。

中小零細企業へも積極的融資が生き残りのカギ
貸し倒れリスクが低い代わりに、利ざやも薄い従来通りの融資競争に力を入れるだけでは、現状打開の糸口はなかなか見つかりません。
地域密着に徹し、これまであまり手を着けてこなかった中小零細企業にも積極的に貸し出さないと生き残れない時代が来ようとしています。

[2016.11.22配信]

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