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事業再生の現場から

(153)景気判断:3地域引き上げ/個人消費・生産改善で新年好発進!

日銀さくらリポート発表

丁酉1月16日、日本銀行が1月の「地域経済報告(さくらリポート)」を発表。
全国9地域のうち、東北と関東甲信越、東海の3地域の景気判断を前回調査(昨年10月)から引き上げました。

東北・関東「緩やかな回復基調を続けている」
東北と関東甲信越では景気判断から「新興国経済の減速に伴う影響がみられる」との表現が削除され、「緩やかな回復基調を続けている」となっています。
東北と関東甲信越の上方修正は平成25年10月以来、3年3ヶ月ぶり。
東海は28年1月以来、1年ぶりの上方修正です。
残る6地域は横ばいですが、下方修正の地域がなかったのは15年10月以来のことです。
今回は多くの地域で、低迷が続く個人消費に改善の兆しがみられています。

生産向上も引上げ
東北と関東では新興国経済の減速の影響が和らいでおり、生産に関する判断も引き上げられています。
中国などアジア向けの電子部品や半導体製造装置などの輸出が持ち直したほか、原油価格の回復を背景に、資源国向けの建設・鉱山機械も好調でした。

東北スーパー・コンビニ売上改善
個人消費においては、昨年16年前半の株価下落や夏場の天候不順の影響が薄れたことを映しました。
東北では百貨店やスーパー、コンビニエンスストアの売り上げ、耐久消費材の売り上げが前年を上回っており、関東甲信越ではスーパーやコンビニが堅調なほか、新車登録台数が持ち直しているとしています。

トランプ大統領:円安・株高へ
米国では昨年11月の米大統領選で減税やインフラ投資を唱えるトランプ氏が勝利し、その期待感から、市場では円安・株高が急速に進みました。
資産価格が増えたことで富裕層による高額品消費が増加。自動車などの輸出企業が盛んな東海では、年末年始商戦で手応えを感じる声が多いとも語られています。

米経済が回復すれば日本経済も
今後の景気については、この度発足したトランプ政権化で減税やインフラ投資が実現すれば、米国経済の拡大を通じて日本全体に好影響をもたらすとの見方があります。
しかしその半面、「メキシコ国境に壁をつくる」などに表れる保護主義的な姿勢から、円安と原油高で農家の輸入飼料や運送業の燃料など原材料の値上げも懸念されるため、慎重な見方も多いのが実態です。

中小企業にとっては特に、世界経済の先行きへの不安と期待が入り混じっている状態ですが、今後、具体的な政策を注視してまいりましょう。


[2017.1.23配信]

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