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事業再生の現場から

(154)企業倒産が減っている!7年連続で前年比減─帝国データバンク調査

国内景気回復を受け、企業倒産は減少傾向にあります

帝国データバンクが1月13日に発表した平成28年の全国企業倒産集計の結果によると、昨年(1月〜12月)発生した負債1,000万円以上の企業倒産は、前年比4.1%減の8,164件でした。倒産件数は平成12年の6,734件に次ぐ低さで、7年連続で前年を下回っています。


負債総額、2年ぶりに前年を下回る
負債の総額は前年比1.0%減の1兆9,916億8,300万円で、2年ぶりに前年を下回りました。
製造業としては戦後最大となったパナソニックプラズマディスプレイ(負債額5,000億円)が昨年11月に特別清算を申請したものの、金融支援などを背景に、負債50億円以上の大型倒産が36件にとどまったことなどから、総額は減少。
負債1億円未満の小規模倒産件数が全体の7割を占めています。

破産が7,000件超え
企業倒産を態様別に見ると、破産が前年比4.3%減の7,638件、特別清算が同2.1%減の279件、民事再生法が前年と同数の246件でした。

民事再生法は破綻後に再建手続き
ご存知の方も多いかと思いますが、民事再生法は「再建型」の倒産処理手続きを定めた法律で、破たんした後でないと再建手続きを始められない和議法に代わって、平成12年4月から施行されました。
債務の返済が困難な会社や個人(債務者)が、債権者の同意の上で再生計画に従って債務を弁済し、事業の継続や経済生活の安定をはかっていくための制度です。

民事再生は資産劣化、従業員離散を抑える法案
倒産に伴う資産の劣化や従業員の離散を食い止め、早期の再建を促すとともに、営業譲渡などをスムーズに進めることを狙いとする民事再生法。
債務超過の可能性があれば破たん前に裁判所に申し出て、事業の維持や再建を目指すことができるほか、申し出た後も経営陣は経営を担えるため、これまでに多くの企業が民事再生法を利用して再生を目指してきました。

民事再生申請、減少傾向
民事再生法は施行開始翌年の平成13年には965件の活用がありました。
しかし近年は大企業の業績改善に加え、地域経済活性化支援機構や中小企業再生支援協議会の活用など、再建スキームの多様化が進んだことなどから減少の傾向が窺えます。

実は民事再生法の現状については、ほかにも興味深い調査報告があります。
それは次回、詳しくお伝えしたいと思います。


[2017.2.7配信]

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