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(156)「黒字倒産」はこれで無くなる?!
売掛金の入金が早まる注目の金融サービスとは
かつては手形取引によって上手に資金繰りを行う企業も多かったものですが、長きに渡る経済低迷・金融不安のなかで、手形取引そのものが衰退しつつあるように見受けられます。
たとえ計算上は黒字であったとしても、取引先から支払いを受けられず「黒字倒産」に至る・・というのも、いまや珍しい話ではなくなってきました。
タイムラグがある支払サイト
一般的に、売掛先企業から支払いが実行されるまでには、支払サイトによるタイムラグが発生します。
それは30日の場合もあれば180日の場合もあるでしょう。
この売掛けが発生してから支払いまでの期間は長ければ長いほど、企業の資金繰りを圧迫します。
また、悪くすると支払いが遅れることもあるでしょうし、最悪の場合には支払い前に売掛先が倒産し、売掛金の回収が不可能になってしまう場合もあるのです。
そんな状況下において、最近多くの業界で取り入れられているのが「ファクタリング」という仕組みです。
売掛金を回収するファクタリング会社
ファクタリングとは、「売掛債権の買取り」を意味します。
企業の持つ売掛金や受取手形などの売掛債権をファクタリング会社へ売却し、本来は販売元の企業で行う売掛金の回収業務をファクタリング会社が代行する金融サービスです。
ファクタリング会社は保証料が収益
手順としては、まず販売元のA社がファクタリングのサービスを行うB社に対して請求を起こします。
B社はA社に代わって、本来の請求先であるC社に請求を起こす一方、請求額の数パーセントを保証料として受け取り、残金をA社に先払いします。
つまりB社は、A社のC社に対する売掛金を立替払いし、その保障料を報酬として得るという仕組みです。
以前からあった「手形割引」というサービスの現代版といったところでしょうか。
なおC社は、本来はA社へ支払うべき代金をファクタリング会社であるB社へ支払うことになります。
特にC社が支払うべき代金が増えることはなく、A社がファクタリングサービスを利用することによって、取引先への負担が発生することはありません。
ファクタリングのメリットとは
資金繰り改善の大きなカギを握るファクタリングのメリットは、入金が早まるだけではありません。
それは次回、お伝えしたいと思います。
[2017.3.7配信]