TOP > メールマガジン > 事業再生の現場から > (160)この売掛で、結局いくらの入金される?
(160)この売掛で、結局いくらの入金される?〜評価されやすい売掛債権とは
現金の準備は最優先昨今の世界的不況による経済情勢を鑑みると、中小企業に限らず現金を潤沢に準備しておくことは経営課題の最優先事項です。
そのための手段として、ファクタリングは非常に有効かつ、効果的な手法である事は間違いありません。
真正な商取引による売掛金があれば、それを担保に資金化できるという、画期的で先端的な資金調達方法であり、欧米においては中小企業の資金調達手段として、不動産を担保とした融資よりも一般的な方法となりつつあります。
知識不足で風評被害も
ただし、日本国内でもファクタリングが普及するにしたがって、売り手と買い手の知識不足が原因で、風評被害が発生する場合も散見されているのも事実です。
多くの場合、手数料が高すぎるなどして、資金繰りが思うように改善されないことが原因と見られます。
売掛先の与信力が手数料を左右
そのファクタリングの手数料を左右するのが、売掛先の与信力です。
そして評価されやすい売掛債権とは、与信力の高い会社の債権ということになります。
支払期日に確実に入金されることが重要
ファクタリングは売掛債権を買い取ってもらって、資金を調達する取引です。
このため、売掛先が「支払期日に確実に入金してくれる会社かどうか」という点が、非常に重要視されます。
売掛債権を買い取った会社が倒産すれば大損
ファクタリング会社にとっては、売掛債権を買い取ったはいいものの、その会社が倒産したり、期日を過ぎても支払いが行われなかったりといった事態になれば、大損につながります。
このようなリスクを少しでも回避するために、売掛先の信用度の審査が行われるのです。
厳しい審査が通れば手数料も低額
審査ではその会社の信用情報、自己資本比率、現在の借入件数、借り入れ返済実績、利益額、利益率、余剰資金などがチェックされます。
審査の結果、間違いなく売掛債権が回収できると判断されれば、リスクが低いため、手数料も低くなります。
逆に少しでも不安要素があれば、手数料が高くなるということになります。
売掛金入金までの日数は重要視
また、ファクタリング会社にとっては、確実に売掛債権が回収できることが何よりも大切ですから、売掛金が入金されるまでの日数も重要視されます。
支払日が3カ月先、6カ月先など、入金までの期間が長い場合は、その間に売掛先が倒産してしまう可能性もゼロではありません。
入金までの期間が短ければ短いほど、倒産の可能性は少なくなります。
このため、支払日が先であるほど売掛債権の評価が低くなるのです。
[2017.5.9配信]