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(164)資金調達で取引先に迷惑をかける?!
〜取引内容によって異なる売掛先との関係
いざファクタリングの利用を検討しようとするそのときに気になるのが、「取引先に迷惑が及ぶのではないか・・・」ということではないかと思います。
では実際にファクタリングを利用すると、取引先にはどのような影響があるでしょうか。
「2社間取引」と、「3社間取引」
お伝えしているとおり、ファクタリングには「2社間取引」と、「3社間取引」があります。
2社間取引は利用者とファクタリング会社が直接取引きするため、売掛先に連絡する必要がなく、取引先へは何ら影響を与えることもありません。
は売掛先へ連絡が必要な3社間取引
一方、3社間取引では利用者とファクタリング会社、売掛先の3社がファクタリングに関わるため、3社間取引を行う場合は売掛先への連絡が必要となります。
3社間取引の流れは会社や金融機関などによって異なりますが、一般的に次のようなものになります。
取引の流れは・・
まず利用者がファクタリング会社に、売掛金の買取りを申し込む。
ファクタリング会社が売掛先の信用調査を行い、売掛債権を買い取る。
ファクタリング会社が売掛先に連絡を取り、売掛金がファクタリング会社に譲渡されることを連絡する。
利用者は売掛先企業に了承をもらう
この際、利用者からも売掛先企業に連絡を行って、売掛先企業からファクタリングを行うことを了承してもらう必要があります。
この時点で、売掛先にファクタリングで資金調達をする事実が知られることになるのです。
了承が得られなければ契約はできない
3社間取引では、売掛先の了承が得られない限り契約はできません。
承諾が得られれば、売掛先とファクタリング会社の間で売掛金額の確認などが行われ、その後ファクタリング会社から利 用者へ入金、売掛先は支払期日にファクタリング会社へ売掛債権を入金します。
売掛先に手間がかかるため、二の足を踏む経営者も
この流れのなかで、ファクタリングの了承を得たり、書類確認や振込先を変更してもらったりと、売掛先には若干の手間をかけることになることは否めません。
また勝手に信用調査をされたことに腹を立てる取引先もありますから、やはり慎重に行う必要があります。
3社間取引は「手数料が低い」などのメリットがありますが、このように取引先に知られてしまうことを懸念して二の足を踏む経営者が多いのも事実です。
結局、「2社間取引」と「3社間取引」のどちらが中小企業に適しているのか・・?
次回、もう少しお伝えしたいと思います。
[2017.7.7配信]