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(166)「資金繰りは厳しい、でも値上げはできない・・・」
ピンチをチャンスに変えた!ファクタリング活用事例
「格安」を売りに、印刷業を営むK社。
薄利多売という状況ではありながらも、従来は掛売りを行っていなかったため、資金繰りは比較的安定していました。
しかしその反面、支払い方法は事前入金か代金引換払いしか対応できないことにより、支払いサイトが厳密に定められている企業や自治体からの受注は難しく、「安定性のある大口の注文を取りづらい」という悩みも常に抱えていたといいます。
原材料高騰で「格安」薄利多売がピンチ
加えて、近年の燃料・原材料の高騰に見舞われ、低価格の維持が困難に。
もともと薄利多売で事業を続けていたK社にとって、値上げは受注の大幅減につながることが予想されます。
資金繰りは厳しい、でも値上げはできない・・・
その難局でK社が選択したのが、「ファクタリングを活用した掛売り」の導入でした。
掛売りから3社間ファクタリングへ
これまで掛売りを行っていなかったK社が導入を決めたのは、手数料の低い3社間ファクタリングです。
3者間取引は手数料が低い代わりに、取引先の与信調査が行われるため、活用にあたっては取引先にその旨を説明し、了承を得る必要があります。
「取引先に活用を知られることに抵抗がある」と敬遠されがちですが、K社はその点をどう克服したのでしょうか。
ファクタリングへの変更を取引先にPR
K社が取引先への説明として行ったのは「ファクタリング会社をはさむことによって、掛け払い・後払いができるようになります」と、先方のメリットをPRすることでした。
取引先にとっては、代金の支払い先が変わるだけで、同じ格安印刷サービスを利用し続けることができます。
さらには、ファクタリング会社へは「1か月分の利用料をまとめて後払いできる」ほか、「代引きでは注文の度にかかっていた手数料も不要」など、それぞれ些少ではあるものの、利用する企業の調達や経理の現場では、手間やコストを削減できるというメリットも多くあったのです。
取引先から歓迎されたファクタリング
実際、K社のファクタリング導入後は多くの既存取引先から歓迎され、後払いを希望する新規注文も増加。
ファクタリングの手数料を支払った上でも利益は上がっており、増収増益を重ね、営業所を増設するまでに至りました。
「早く入金してほしい」という売り手のニーズと「商品を確認してから支払いたい」という買い手のニーズをマッチングさせ、二者両得の結果を生み出し、K社の事業成長を実現させたこのケースは、ファクタリングの理想的な成功事例といえるでしょう。
[2017.8.8配信]