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事業再生関連法規制度等について

社内勉強会

競売における「物件三点セット」:担保競売・担保執行、不動産競売の手続き

1.競売とは

売主が多数の申出人に対して買受の申出を行わせて最高価の申出をした人(者)に、競売対象物件を売却する売買契約の方法

■種類
(1) 国税徴収法による競売(公売)
(2) 民事執行法(※1)による強制競売(※2)及び担保権の実行としての競売がある。
  ※1 :民事執行法
  民事訴訟法中、強制執行(旧第6編)と旧競売法を統合
  民事執行手続全般を規律するものとして、昭和54年3月30日公布、昭和55年10月1日施行
  改正、平成1年、平成7年、平成8年、平成10年
  ※2 :強制競売・・・債務名義(※3)を要する。
     担保権の実行としての競売・・・債務名義を要しない。
  ※ 3 :(民事執行法第22条)確定判決・仮執行の宣言を付した判決、公正証書等

2.担保権の実行としての競売(担保競売、担保執行)

(1) 不動産競売
(2) 船舶の競売
(3) 航空機、自動車、建設機械の競売
(4) 動産競売
(5) 債権及びその他の財産権に対する執行(権利執行)、差押命令

3.不動産競売の手続き・・・別紙

(1) 競売開始決定
不動産競売物件として競売手続の開始及び不動産の差押を宣言する裁判で、債務者に送達すると同時に、裁判所書記官は直ちに差押の登記を登記所(法務局)に嘱託する。

(2) 公示送達
相手方の住所、居所が不明の場合、地方裁判所の書記官が送達すべき書類を保管しておいて、受送達者(債務者)にいつでも公布する旨の公示を裁判所の掲示板に掲示する方法。
  ※公示日から2週間の経過で送達の効力が生ずる。  (民事訴訟法112条(1))

(3) 物件3点セット
買受希望者に便宜を図る目的で、裁判所の閲覧室で誰でも閲覧できる。
開札実施の1週間前までに裁判所に備えられる。(書記官が統括)

(1)物件明細書・・・ 差押不動産に係る不動産の表示、権利関係
(買受人の負担となる質権、用益権、留置権等の存在、仮処分の存在等が記載される。)
(民事執行法第62条、民事執行規則第31条)
落札後法廷地上権が発生する場合記載
(民法第388条、民事執行法第81条)
(2)評価書  ・・・ 差押不動産に係る不動産の表示、権利関係
(買受人の負担となる質権、用益権、留置権等の存在、仮処分の存在等が記載される。)
(民事執行法第62条、民事執行規則第31条)
落札後法廷地上権が発生する場合記載
(民法第388条、民事執行法第81条)
(3)現況調査報告書・
(執行官担当)
不動産の形状、占有関係、権利関係及び土地、建物の撮影(民事執行法第57条、民事執行規則第29条、第31条)
【資料】 ◎鑑定評価の方式(不動産の価格

(1)原価方式・・・不動産の再調達価格(建築、造成等による新規の調達)に要する原価による(原価法)

・減価修正 → 試算価格(積算価格)
(1)物理的要因・・・摩滅、破損、老朽化、偶発的損傷
(2)機能的要因・・・機能的陳腐化、設計の不良、旧式化、設備の不足、能率の低下
(3)経済的要因・・・近隣地域の衰退、不動産とその付近環境との不適合、付近の不動産との比較における市場性の減退等

・減価修正の方法
(1)耐用年数に基づく方法・・・定額法、定率法
(2)観察減価法・・・屋根瓦の破損状態、土台の沈下、外壁の亀裂、有害物質の使用の有無、付近の環境との適合状態

(2)比較方式・・・不動産の取引事例又は賃貸借の事例に着目(取引事例比較法)

・適用方法
(1)取引事情が正常なものと認められるか、正常なものに補正することが出来るもの。
(2)時点修正可能なもの
(3)地域要因の比較及び個別的要因の比較が可能なもの

(3)収益方式・・・不動産からうみだされる収益に着目(収益還元法)

将来生み出すと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法(収益価格) 賃貸用不動産又は賃貸以外の事業の用に供する不動産の価格を求める場合に有効。
収益は、不動産の経済価値の本質を形成するものである市場性を有しない不動産以外のものには全て適用すべきもの。

・収益価格を求める方法

(1)直接還元法

(2)DCF法(※)

(※) Discounted Cash Flow法
  H6.9.9 土地鑑定委員会が承認した新手法


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