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事業再生の現場から

(146)中小企業の賃上げに経産省が本腰!
    大企業と下請企業の取引条件改善へ

「世耕プラン」を発表

税金滞納中小企業にとっては悩ましき[賃上げ]に関連して、経済産業省が大企業と下請け企業の取引条件の改善に乗り出しました。

9月15日に行われた日本経団連や自動車工業会との懇談会で、世耕経済産業大臣は「未来志向型の取引慣行に向けて」(通称:「世耕プラン」)を発表。
不当な値引き要求などを防止し、下請けの中小企業が賃上げしやすい環境を整備するとして、発注側である大企業によって構成される経済団体を通じて、引き続き下請企業との取引に適切に配慮するよう、要請しています。

大企業の元請は中小企業
日本の産業界の多くは、元請けとなる大企業と下請けの中小企業という階層構造になっています。
戦前の日本は諸外国と同様、ここまでの重層構造ではありませんでしたが、太平洋戦争中の軍部による産業統制の結果、現在のような産業構造が出来上がり、戦後もこの形態が温存されました。

高度成長の時代には皆がそれなりの利益を上げることができたのであまり問題にはなりませんでした。
しかし、日本経済の相対的な付加価値が低下するにつれて、コストを下請けに押し付けるなど、元請け企業の利益確保の手段として使われるようになってきたのです。

経産省:取引の法的環境を整備
経産省は今後、下請け企業に対して、一律の値引きを要求したり、支払い条件を過剰に悪くしたりといった行為が発生しないよう、法的な環境を整備します。
具体的には下請代金法の運用強化、下請中小企業振興法の基準改正などを想定しており、違反企業については社名を公表するほか、公正取引委員会による取り締まり対象とするなど、施策は多岐に亘ります。

生産性向上を改善
発注側の大企業と下請となる中小企業との取引条件を改善するだけでなく、下請の現場で起こっている生産性を更に引き上げるための様々な課題(生産ライン改善、保管スペース削減など)に対して、発注側も一緒に考え解決していく取組を広げていく必要があります。

こうした複合的な取組を行うことで、下請企業が新たな製品開発や攻めの投資に果敢にチャレンジできるようになれば、産業における付加価値が向上していくことも見込まれます。
デフレ脱却の先に目指すのは、中小企業の復権・復興です。

ブログ記事も併せてお読みください
「経済産業省:大企業と下請け中小企業の取引条件改善包括策、自動車業界を念頭」

[2016.10.7配信]

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