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事業再生の現場から

(167)まずは経営者の●●を守れ!〜債務超過時の支払いには「逆転の発想」を

支払いの順番は・・

債務超過時経営者の皆さんは、資金繰りの厳しい状況下にあるときの支払いの順番について、どのようにお考えでしょうか。
「取引先に迷惑をかけるわけにはいかない。もちろん、取引先への支払いが大事だ」という方もいれば、「給与未払いで従業員に辞められてしまえば事業が回らない。従業員の給料の方が先だ」という方もいるでしょう。
これは、経営者の思想の違いです。
その違いはさておき、それぞれの企業における通常の支払いの順番をひっくり返してみてください。

自分の給与が一番
ほとんどの経営者であれば、自分の給料[取り分]がいちばん上にくるのではないでしょうか。
そして多くの場合、次に従業員の給料がくるでしょう。つまり平時においては、経営者は自分の取り分をいちばん後回しにしてきたわけです。
債務超過に陥った場合には、この[平時の支払い順位の『逆』]を意識してみてください。

金融機関に返済すれば経営者の生活に影響
まず自分の取り分、そして自分の近くにいる人を何よりも大事にする…という優先順位に変えるのです。
そして次に、親しい取引先など、一人ひとりの顔が見える関係先を優先する。このような支払い順位に変えてみましょう。
なかには、これを非常識に感じる方もいらっしゃることでしょう。それでは、なぜ、経営者が自分の取り分を最優先で確保することが大事なのか?

例えば中小企業の経営者が、手元の資金が厳しいのに金融機関に返済しようとして無理を重ねると、いずれ生活費が捻出できなくなります。
電気代やガス代、電話代等々、それらの支払いまでが万が一滞れば、現代では人間らしい生活もままならなくなることでしょう。
家族は心配し、家庭不和を引き起こす可能性も出てきます。

会社の資金繰りも経営者の生活にも悪影響
こうなってしまえば、経営者は会社の資金繰り以外の不安や心配事を抱えることになります。
それが原因で仕事が手につかなくなり、経営に注力できない。会社の業績も上がらず、利益も出ず、ますます債務の返済が難しくなる…
そんな悪循環に陥ってしまうことだけは防がなければなりません。

もちろん、経営が厳しいのに社長は贅沢三昧…というのは間違っているというのはお分かりでしょう。
あくまでも事業の継続のため、経営者は苦しくても最低限の生活費は最初に確保すること。
そして金融機関への返済は手元の[返済原資]からのみ・・・と考えてください。
返済を安易に優先して、経営者が倒れてしまっては、元も子もないのですから。


[2017.8.25配信]

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