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事業再生の現場から

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(20)決算書を作って会社を成長させる〜財務精査のポイント〜

財務状況を改めて見直す決算
決算を行ったら、その内容をまとめ、「会社の成績表」とも言える決算書を作らなければなりません。「決算書」とは慣例的な呼び方で、会社法や税法に基づく場合は「計算書類」、金融商品取引法の基づく場合は「財務諸表」という呼び名になります。どちらも「貸借対照表」と「損益計算書」を中心とする点は同じですが、財務諸表には、資判断の観点から経営の実態を計りやすい「キャッシュフロー計算書」が加えられます。この3つの計算書が、企業の安全性や収益性、成長性を知るうえで特に重要な「財務三表」です。
そもそも、なぜ決算書が必要なのでしょうか。すぐに思い浮かぶのは「株主への報告」や「投資家などへの経営情報の開示」ですが、さらにもうひとつ、経営者が会社の実情を知り、的確な判断を下す材料にするという目的があります。そのためにも、粉飾などは考えず、ありのままの自社の状態を決算書にまとめなければなりません。
決算こそ、売掛金の回収や各種契約の見直しなど、自社の財務状況を改めて見直すまたとない機会です。経営者自らが財務管理に無関心である場合、たとえどんなに営業力、企画力が優れていても、企業の成長は難しいでしょう。規模の大小はありますが、不適切な経費精算や横領は小規模零細企業では比較的多く見られます。「人を見たら泥棒と思え」とまでは言いませんが、人に任せていて安穏としている事業主は、自社の財務の綻びになかなか気付くことができません。それどころか、すぐそばにある資金調達のチャンスさえも見逃しかねません。
この機会に自社の財務状況を確認し、きめ細かいお金の流れを把握して、より強い企業づくりを目指しましょう。

財務精査のチェックポイント
1.事業にどれくらいの体力があるのか
2.債務がなければ営業利益はプラスになるのか
3.1ヶ月、半年、1年、3年、5年と長い目で見て、どれぐらいのキャッシュフローを生み出す力があるのか
4.設備投資(機械代金や修繕費、補修費など)の費用をどのタイミングで投入するのか
決算の時こそ、キャッシュフローを確認、習慣化するチャンスです。いくら借入れをして、いくら返済しているのかひと目で分かります。損益計算書(P/L)はプラスでも、収支のタイミングを間違えれば、資金繰りはショートしてしまうのです。ぜひとも、会社の家計簿であるキャッシュフローをまめに確認するようにしてください。

事業再生にはキャッシュフロー経営
「支払いサイトは先方の言う通りでいいから、とにかく商品を売ってこい」などと営業マンに檄を飛ばしていた経営者は、特に注意が必要です。会計上は売上高も営業利益も純利益も倍増したところで、肝心の現金が入ってこなければ話にならないのです。
セントラル総合研究所はこれまでも、事業再生には「キャッシュフロー経営」の徹底が必要であるとお伝えしてきました。売上げが上がってよしとしてしまい、「その売掛をいつ回収できるのか」といった時間の概念が欠落していてはいけません。企業倒産が増加傾向にある今、「取引先の倒産により売掛が回収できない」、「支払手形が落とせない」などのトラブルで黒字倒産に陥ってしまうパターンが多く見られます。これからの経営は、いたずらに売上高や販売シェアを伸ばすことよりも、キャッシュフローを有効に活用する方法を考える必要があります。

[2011.2.17配信]

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